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チームリブランディング
会社員として働いている人であれば、誰しも経験のあるシーン。
「このパワポ資料、どう思う?」
この意見を求められたとして、
「素晴らしいです!」と答えられるあなたは、おそらく心からそう思っているはずです。
ですが「あっ、ちょっと微妙かも、、、」と思った時、あなたならどのような返答をしますか?
チームとしては、相手が歳上であろうが、上の役職であろうが、
正直な意見を伝えられる関係が理想です。
微妙だと思ったとしたら「微妙です!」と伝え、「どこが微妙だったと思ったのか」まで具体的に伝えることができる。
それを受けた上司はメンバーの意見を反映し、修正し、資料を完成させる。
このやりとりを行うことで、関係性も崩れず、より仕事がスピーディになる。
これが理想ではあります。
しかし、現実はそうはいかないはずです。
この文化が確立していて、徹底できている会社はどのくらいあるでしょうか?
胸を張って「うちの会社にそんな摩擦はない!」と答えられる組織はいくつあるでしょうか。
私は前職で鹿児島のイタリアンレストランのサービスマネージャーとして、店舗立ち上げを行なっていました。
毎日刺激的な日々で、嘘偽りなく24時間働いている、そんな感覚でした。
メンバーはシェフと二番手シェフ、女性の管理職に転職組でサービス責任者の私、
そしてサービスとして福岡から1名の新卒の女性で構成され、わからないことだらけの日々の中、
みんなで模索しながら、壁にぶつかりながらも楽しく前向きに働いていました。
当然私は全く0からの店舗の接客を全て担う役割だったので、試行錯誤する中で、
「失敗してはいけない」という責任に狩られすぎて、あまり覚えてはいませんが、
おそらく新卒の女性への言い方や伝え方が強くなっていたのだと思います。
私が伝えることに対して、その場では笑顔で頷き、前向きに咀嚼しているように感じておりましたが、
裏で別のメンバーたちに報告が上がっている事実を知り、コミュニケーションの仕方がわからなくなったことを覚えています。
間違っていることに対しての伝え方、解釈の仕方があの頃の私にはあまりにも難しい課題に感じていたのです。
新卒の女性はお世辞でもサービスに関して詳しいわけでも、人として長けているものがあるわけでもなかったので、
私は〈修正〉〈改善〉〈指示や指摘〉を繰り返していました。
ここでよく言われる、「肯定から入る」ができていればまた違ったのかもしれないとは思いますし、
その時の新卒の女性は気持ち良く仕事ができ、おそらく上への報告はしなかったようにも思います。
例えば、「このパワポ資料、どう思う?」と言われて、「あっ、ちょっと微妙かも、、、」と思っていても、
「素晴らしいです!ただ、、、」と正直な意見を後から述べていくスタイルです。
「肯定から入る」はコミュニケーションは良好な人間関係を築くために効果的であることは間違いないと思います。
ただし、全ての人間関係において、肯定から入ることが最適解かと言われる、完全に同意することは難しいところがあります。
Mad.でも「まず褒めることから入る」ことは大切にしていることではありますが、
これまでに「誤解を生みやすい」「改善点がわかりづらい」などという意見があった頃も事実としてあります。
確かに、もし自分が出したイベント企画に対して社長に一言、「とても良いと思う!」から入られると、
その時点で安心してしまい、その後の修正点や改善点を伝えられたとしても、
その内容やそこに込められた意図を100%受け取れる自信はありません。
さらにいえば、人は誰しも厳しい意見を言われるのは怖いですから、
フィードバックの1割が褒めの言葉で残りの9割が改善点だったとしても、1割の褒め言葉だけを信じたくなります。
このように肯定から入るコミュニケーションが良いかどうかは人間関係やシーンによって変わってきます。
あくまで部分的に必要、という認識が正解な気はしています。
悪意に満ちたコミュニケーションなら対処すれば済みますが、善意あるコミュニケーションはズレを生むことがあります。
後輩が一生懸命考えてきた案を一言で跳ね返すのは当然気が引けます。
これは人として当然の感情だと思います。
しかし感情に従ったがあまり、本当に伝えたいことを伝えられない、持っていきたい方向に持っていけない、
結果的に後輩が育たない、さらにはチームが育たない、こんな結末になってしまうかもしれません。
重要なことはチーム全体でコミュニケーションに対するスタンスを統一することだとMad.は考えています。
新入社員がベテラン社員の仕事に対しても、正直な感想をまっすぐに伝えることができる。
逆にベテラン社員も新入社員の現状に対してまっすぐに想いを伝えることができる。
そして、そのコミュニケーションが行われたとしてもお互いの関係がギスギスすることはない。
これは見事な理想の組織です。
しかし、理想を語るのは簡単ですが、そんなチームを作り上げるのは至難の技です。
むしろそんなチームが当たり前にある会社など存在しないのではないか、とまで思います。
私たちMadは完璧な状態を追求するというよりは、「極限まで理想に近づけること」を目指しています。
そこで1つ重要になってくるのが、「反射的に反応しない」ということです。
上司に意見を求められた時に間を持たせるためにとりあえず「そうですね」と答えるのではなく、
この意見に対して本当の自分はどう思っているのか?を自問し、明確になってから口を開く。
ここにはコミュニケーションの複雑化を避けるだけではなく、「よく考えてから答えてくれる」という誠実さを相手に与えることもできそうです。
あくまで一例ではありますが、そのチームにハマるコミュニケーションの取り方を見つけ、浸透することができれば、
極めて滑らかなコミュニケーションが生まれるようになり、それに伴う摩擦やズレを防げるのではないかと思います。
必要になってくるのは上司側・先輩側の意識改革です。
思ったことで反射的にメンバーを傷つけてないか?
後輩を迷わせてないか?
一度立ち止まって考えることができれば、必ず組織に根付くのではないかと思います。
・とりあえず何か言った方がいいのかな、、、
・変な間ができてしまうからとりあえず相槌を打っておこう、、、
この間違った善意が横行し、コミュニケーションの複雑化を招かないよう、
全社員、全メンバーで共通したコミュニケーションのきっかけを探してみることをおすすめします。